
葬儀や法要について調べているとよく出てくる「菩提寺」についてご存知でしょうか。全ての人に菩提寺があるわけではないため、菩提寺がない場合は葬儀や法要の際に戸惑ってしまうこともあるでしょう。そこでこの記事では、菩提寺とは何か、菩提寺がない場合はどのようにして葬儀を行えば良いのかについて詳しく解説していきます。
菩提寺とは?
菩提寺とは、先祖代々からそこにお墓があり、葬儀や奉養を行う際に対応をお願いできる寺院のことを指します。もともとは「身近で大切な肉親がお釈迦様のようにさとりを得て目覚めることができるように」という思いが込められたお寺を目指していたのが始まりです。お墓の管理はもちろんのこと、葬儀や法要の準備などを安心して任せることができます。一般的に、葬儀や法要を執り行う際には、自分で葬儀社を探してさまざまな手配を行わなければなりません。
大切な人を亡くした後にすぐ葬儀の手配を行わなければならないことは、遺族にとっては辛い作業です。葬儀の準備はとくに大変で精神的負担も大きいため、寄り添ってくれる菩提寺があるととても心強いです。
葬儀の準備の負担が軽減されることで、故人との別れの時間をしっかりと確保することができ、準備にかかる時間や手間を半減させられるといったメリットもあります。
また、新たにお墓を探す手間や時間も省くことができるという点も大きなメリットです。お墓を持つと、定期的に訪れたり清掃を行う必要がありますが、菩薩時はお墓の管理も丁寧に行ってくれます。そのため、頻繁にお墓に手入れに行く必要がありません。
菩薩時と似たような言葉でよく間違われがちなのが「檀那寺」です。自家のお墓の有無に限らず親密な関係を築き、金銭的なサポートを行っている寺院のことを指す檀那寺には、お布施が欠かせません。
一方で、菩提寺は金銭的サポートがなくても、その寺院の土地にお墓さえあればその後もさまざまな場面において対応してもらえます。
菩提寺がない・遠い場合の対応方法
新たに菩提寺を探したり、遠くて困っているといった場合の葬儀や法要にはどのように対応すれば良いのでしょうか。具体的な対応方法を見ていきましょう。菩提寺がない場合
深くお付き合いのある菩提寺がない場合は、まず葬儀社にどうすればいいか聞いてみましょう。新たに菩提寺を探している人は、葬儀社を通して紹介してもらうことが多いです。葬儀社はさまざまな寺院に精通していることから、どのような寺院なのか具体的に知ることができるのが大きなメリットです。紹介してもらうことによって、自分で探すよりも効率よく良い菩提寺に出会えるかもしれません。また、気になる寺院があれば直接連絡を取ってみましょう。
菩提寺が遠い場合
遠方であっても、ひとまず菩提寺に連絡を取ってみましょう。寺院によっては、遠方でも直接足を運んでくれる可能性があります。菩提寺から来てもらうのが難しい場合には、同じ宗教・宗派の寺院を紹介してもらえるかもしれません。そのため、遠くてなかなか足を運ぶことができなくても、まずは菩提寺に相談してみることをおすすめします。紹介してもらえる寺院がない場合には、葬儀社に相談してみるのも一つの手段です。
菩提寺がない・遠い場合の葬儀の進め方
菩提寺がない、あるいは遠くてなかなか足を運べない場合には、次のように葬儀を進めるといいでしょう。菩提寺がない場合
葬儀を終えたらそれで終わりではなく、その後も法要が続きます。法要があるたびに僧侶を探す必要があり、新たに別の葬儀を行う場合にも自分で手配しなければなりません。その場合は葬儀や法要のたびに葬儀社に自ら相談するか、僧侶を派遣してくれるサービスの利用を検討してみることをおすすめします。派遣サービスで僧侶を手配することに抵抗がある人も少なくありませんが、手続きが簡単かつ継続的な関係を結ぶ必要がないため、気軽に利用できます。
どのように探せばいいかわからない人向けに派遣サービスを紹介してくれる葬儀社もあるので、遺族の意向や予算なども伝えたうえで葬儀の相談をしてみるといいでしょう。
菩提寺が遠い場合
菩提寺が遠いと、その寺院の僧侶に任せにくいです。寺院との関係性によっては申し出づらいかもしれませんが、交通費や宿泊費負担することで、僧侶がこちらに出向いてくれるケースもあります。そのため、遠方であってもまずは菩提寺に葬儀の相談をしてみることをおすすめします。菩提寺から手配できないと言われてしまった場合でも、葬儀ができないわけではありません。
全国どこでも僧侶を呼ぶことができる、僧侶派遣サービスを利用するのもひとつの手段です。また、菩提寺の場所を変えたい場合でも、必要な手続きをすれば近くに変更することも可能です。