葬儀費用は誰が支払う？トラブルを防ぐための注意点も解説

身内に不幸があった際、葬儀準備は慌ただしくなるでしょう。また、費用を誰が支払うかも大きな問題です。急に訪れることなので、トラブルや揉め事が起きることもあります。そこで、葬儀費用の注意点を抑えましょう。ここでは、葬儀費用について詳しく解説しています。親族で共有し、納得のいく方法を探すことが重要です。

葬儀費用の負担者は誰？

家族の葬儀は、頻繁に経験することではありません。そのため、費用捻出を誰がすべきか悩むでしょう。遺言がある場合はスムーズですが、必ず準備されているとは限りません。ここでは、葬儀費用を負担する方を解説します。

喪主による負担

一般的には、喪主が葬儀費用を支払います。故人の遺言があれば、喪主として行動しましょう。また、遺言がない場合、故人の配偶者・長男・長女が喪主となります。健康状態や住まいなど、状況に応じて誰が適切か考えておくと安心です。そして、葬儀費用は喪主が全額負担します。そのため、喪主を決めることは慎重な判断が必要です。

遺産で支払う

相続前の遺産で支払うことも可能です。しかし、死亡届や相続手続きを行うと、口座凍結になります。簡単に現金が引き出せないので注意しましょう。手続き前に、葬儀費用を引き出すとスムーズです。また、口座凍結した場合、金融機関に申請しましょう。

葬儀費用として150万円の引き出しが可能です。また、葬儀費用として引き出した金額には、相続税がかかりません。相続人全員で支払い方法を決めましょう。

施主が支払う

施主とは、喪主をサポートする存在です。葬儀では準備すべきことが多いため、幅広く動く必要があります。喪主が長男や長女の場合、施主が配偶者というケースが一般的です。そして、喪主が葬儀費用を支払えない場合、施主が支払うこともあります。家族内で誰が何を担うか、慎重に話し合いましょう。

葬儀費用の内訳と支払い前にチェックすべきポイント

葬儀費用には、細かい内訳があり微調整が可能です。予算内で行なえるよう、支払い前に必ずチェックしましょう。また、相場を知っておくことも重要です。ここでは、費用の詳細と相場について解説します。

葬儀費用

葬儀自体では、会場使用・祭壇・遺影・棺桶・骨壺などの費用があります。多くの葬儀業者でプラン化されているでしょう。そして、会場の広さや祭壇の大きさによって価格が変動します。必要に応じて予算をコントロールしましょう。祭壇をシンプルにすることで、葬儀費用は大きく下げられます。

また、遺体の搬送や安置にも費用がかかります。病院などから自宅に迎える場合、次いで葬儀場や火葬場への搬送も必要です。それらの費用が加算されるかも確認しましょう。

飲食費用

参列者への会食や返礼品も重要です。お通夜の際は通夜振る舞い、法要後は精進落としを振舞います。食事内容は自由に選べるため、予算調整をしやすい項目です。また、人数が想定できないため、多めに準備すると良いでしょう。そして、返礼品が余る可能性もあります。その際、葬儀業者へ返品可能であるか確認しておきましょう。

宗教費用

僧侶には、お布施・交通費・食事代が必要です。相場は25万円前後とされています。しかし、地域や宗派で異なるので、予め調べておきましょう。作法として、半紙か白封筒に入れて手渡しします。

また、戒名をもらう時は、さらにお布施が必要です。戒名は宗派によって金額が異なるので注意しましょう。一般的なランクの信士・信女で、30万円前後がかかります。さらに格式高い、院号であれば100万円程度が相場です。

葬儀の費用相場

葬儀費用の全国平均は127万円です。しかし、会場規模によって大きく金額が変わります。近年、葬儀形態も多様化しており、それぞれの費用把握が必要です。予算とイメージが合うものを選びましょう。一番シンプルな火葬式であれば、20～40万円未満が相場です。少ない人数で見送るときに向いています。また、家族葬であれば、60～80万円未満が相場です。核家族化や経済状況から、選ぶ家庭が増えています。そして、一般葬であれば、120～140万円未満が相場です。多くの方に見送ってもらえるので、故人も喜ぶでしょう。

葬儀費用のトラブルを防ぐためにできる対策

葬儀では大きな費用がかかるため、トラブルが発生する可能性もあります。そこで、前もって確認すべき点を把握しましょう。ここでは、トラブル回避のポイントを解説します。

遺言の確認

故人に遺言があるかを必ず確認しましょう。家の中に金庫や書斎がある場合、保管されていることがあります。また、カギがついた引き出しなどもあり得るでしょう。さらに、外部に遺言を保管していることも考えられます。金融機関の貸金庫・行政書士・弁護士などが一般的です。

遺言は故人の意思であり、内容を守る必要があります。勝手に開封することや遺言どおりに相続しない場合、違法となるので注意しましょう。遺言は、家庭裁判所へ提出が必要です。

遺言代理信託の確認

遺言代用信託とは、金融機関が取り扱うサービスです。生前に財産を信託し、運用・管理を任せます。しかし、財産保有者が亡くなると、口座取引ができません。そこで、生前に申し込みを行い、配偶者に指定金額を振り込むことが可能です。故人の配偶者となる方は、必ず口座確認を行いましょう。

また、遺言代理信託を使用していると、遺言を家庭裁判所に提出する手間が省けます。終活をしていた方は、家族に遺言代理信託の存在を伝えていることが多いでしょう。

保険の確認

多くの方が、生命保険や葬儀保険などに加入しています。そこで、死亡保険の請求作業が必要です。死亡届提出後、戸籍謄本と保険証券を提出します。また、葬儀保険では、葬儀業者を予約している可能性もあるでしょう。さらに、費用支払いが済んでいる場合もあります。必ず、加入状況を確認しましょう。

まとめ

葬儀ではさまざまな進行があり、日々忙しくなります。また、家族によっては心身衰弱することもあるでしょう。費用について、冷静に話し合うことは難しくなります。そのため、共有不足でトラブルになりかねません。葬儀を考えることは辛いですが、予め費用や支払人を決めておくと安心です。もしものときに、後悔しない判断ができるでしょう。東京では多くの葬儀業者が存在します。後悔しないサービスを選ぶことが重要です。